婦人科
各種ワクチンのご案内
RSウイルスワクチン アブリスボ

●RSウイルスについて


RSウイルスは世界中に広く分布し、ほぼすべての子どもが2歳までに感染するとされています。主に夏~秋に流行し、特に生後6ヵ月未満で感染すると重症化するといわれています。
日本では、毎年約12万~14万人の2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症と診断され、その約4分の1が入院を必要とするとされています。RSウイルス感染による乳幼児の入院は、生後1~2ヵ月時点でピークとなるため、生後早期から予防策が必要とされています。
 

●アブリスボについて


アブリスボは、RSウイルスの予防に用いられるワクチンです。
アブリスボを妊婦に投与することで、抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに移行します。このため生後数ヶ月の間はRSウイルス感染症から守ることが期待できます。
有効性:アブリスボは、生後6ヵ月まで高い効果を期待できます。
副作用:注射部位の疼痛、発熱、頭痛、筋肉痛、アナフィラキシーなど
上記副反応は他のワクチンにもみられるもので、数日以内に消失することが一般的です 。
 

接種方法・料金 (予約が必要です)
・接種時期:妊娠24週から36週の間(推奨は妊娠30週から36週の間)。予約制。
・接種量:0.5mLを筋肉内に1回接種
・料金:33,000円(自費)

風疹・麻疹混合ワクチン(MRワクチン)

●風疹(三日ばしか)


風疹は、風疹ウィルスによって引き起こされる感染症です。飛沫感染が主な感染経路で、発熱、発疹、リンパ節膨張などの症状を特徴としています。
妊娠初期に風疹ウィルスに感染すると、先天性心疾患、白内障、難聴を特徴とする先天性風疹症候群(CRS: congenital rubella syndrome)を発症する場合があります。
 

●風疹・麻疹混合ワクチン(MRワクチン)


風疹ワクチンは「生ワクチン」です。生ワクチンは毒性が弱くなっていますので、安全に免疫をつけることができます。
 
対象者風疹HI抗体が16倍以下の方が対象です。
(抗体検査が未実施の方はまず抗体検査をお受けください。妊娠を希望する女性の方や同居している方は公費助成があります。)
※現在妊娠中の方は産後1か月検診時に接種可能です。
※予約制となりますので、ご希望の方は受付へお申し出ください。
 
副作用:注射部位の疼痛、発熱、じんましん、アナフィラキシーなど
上記副反応は他のワクチンにもみられるもので、数日以内に消失することが一般的です 。
 

接種方法・料金 (予約が必要です)
・接種時期:産後1か月。予約制。
・接種量:0.5mLを皮下に1回接種
・料金:8,000円(自費)
※市町村によって接種費用の助成金があります。各自治体にご確認ください。

インフルエンザワクチン

●インフルエンザ


季節性インフルエンザは例年12月~3月に流行します。
原因となるインフルエンザウイルスの抗原性が小さく変化しながら毎年世界中で流行します。
 
【妊娠中に使用できるインフルエンザ治療薬】

  • タミフル(オセルタミビルリン酸塩)内服薬
  • リレンザ(ザナミビル水和物)吸入薬

上記の薬剤は妊婦への使用実績が長く、安全に使用できます。
 

●インフルエンザワクチン


当院では妊婦さんへ投与するインフルエンザワクチンは主にシリンジタイプを使用しています。シリンジタイプのワクチンは1人分ずつ個別包装されており、防腐剤のチメロサールが無添加でより安全性が高いと考えます。
ただし、納入数に限りがあるため早めの予約をお願いします。
 

接種方法・料金 (予約が必要です)
・フルービックHAシリンジ(5mL)(チメロサールフリー)
・接種時期:10月下旬~。予約制。
・接種量:0.5mLを皮下に1回接種
・料金:2,700円(自費)
※市町村によって接種費用の助成金があります。各自治体にご確認ください。

HPVワクチン

●子宮頸がんについて


子宮頸がんは子宮頸部にできるがんのことで、2540歳の女性のがんによる死亡の第2位です。国内の子宮頸がんの患者数は年間約11,000人程度とされ、20代から上昇します。子宮頸がんで亡くなる方は、年間約3,000人程度です。
子宮頸がん患者さんの90%以上にヒトパピローマウイルス(HPV)が関わっています。HPVのうち少なくとも15種類が高リスク型HPVと呼ばれています。
 

HPVワクチンについて


シルガード9(9価ワクチン)
副作用:注射部位の疼痛、発熱、頭痛、筋肉痛、アナフィラキシーなど
上記副反応は他のワクチンにもみられるもので、数日以内に消失することが一般的です。厚生労働省は2022年に「ワクチンの安全性について特段の懸念は認められない」として積極的勧奨を再開しています。
 

接種方法・料金 (予約が必要です)
・接種時期:定期接種の場合は小学校6年生から高校1年生まで。
・接種回数:3回接種(初回接種、2か月後、6ヵ月後)。予約制。
※ただし1回目の接種を15歳未満に受け、その後、5か月以上あけて2回目の接種を受けた方は2回接種。
・接種量:0.5mLを筋肉内に1回接種
・料金:定期接種の場合は自己負担なし(公費)