鎌沢 Q&A
 子宮がんってどんな病気?

子宮癌は大きく分けて、子宮頚部に発生する「子宮頚がん」と子宮体部に発生する「子宮体がん」があります。子宮頸がんには、細胞の種類の違いで扁平上皮がんと腺がんがあります。またがんではないけれど細胞に異常が見られる「異形成」という状態もあります。このうちの一部が子宮がんへ移行していきます。異形成は自然に治癒することもあります。
最近の研究では子宮頚がんの原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染であることがわかってきました。このウイルスの感染は性交渉で起こりやすいため、sexの経験がある女性は年齢に関わらず、子宮頚がん検診を受けることが望ましいといえます。
症状は不正出血が多いのですが、閉経前後は生理自体が不規則となり紛らわしいため発見が遅れることがあります。不正出血が続く場合は必ず検査を受けましょう。また早期発見できれば完治できる可能性が高く、年に1回は定期検診を受けることが大切です。

子宮がん検診はどんな検査ですか?

いわゆる子宮がん検診とは「子宮頚部細胞診検査」のことです。まず腟鏡診を行い、肉眼的な異常がないか観察します。次に子宮頚部から綿棒でこすりとり、その細胞をガラス板に塗り固定液で固定します。このとき痛みはほとんどありません。この後に特殊な染色液で染色し、顕微鏡で細胞の様子を観察します。また超音波検査で子宮内の状態、子宮筋腫や卵巣腫瘍、腹水などの有無を観察します。また内診で、子宮の大きさ、可動性、疼痛の有無などを確認します。検査はわずかな痛みや出血を伴いますがごく短時間で終わる検査です。
この中で子宮内膜に異常を認めたり、不正出血が続いていたりする方は「子宮内膜細胞診検査」を必要とする場合があります。これは「子宮体がん」の検査で、子宮の中に細い器具を入れて細胞の一部をこすりとります。

かゆみがあります。白いおりものもありますが異常でしょうか?

女性の外陰部に生じるかゆみの原因として,代表的なものにカンジダ性腟炎があります。カビの一種であるカンジダ・アルビカンスに感染することで起こります。典型的な症状は、白色から黄緑色の酒かす様、チーズ様で小さな固まりのようなおりものが出現し、外陰部にしみるようなかゆみが起こってきます。カンジダは常在菌で必ずしも病原性を持っているわけではありませんが、様々な原因で増殖し、おりものが増え外陰部にかゆみを自覚するようになった状態が治療対象となります。
診断は簡単で、おりものを顕微鏡で直接観察しカンジダの菌糸を確認することや培養検査を行います。カンジダは弱い菌なので,腟洗浄と腟錠できちんと治療すれば、1週間程度で症状はよくなります。ただし再発を繰り返すことが多く,中途半端に治療を止めないことが大切です。カンジダは皮膚や生活環境のなかに常在しています。このため腟内への侵入を予防する方法はありません。妊婦、糖尿病や栄養不良の人に多く、体調不良で抵抗力が落ちているときなどに腟内の自浄作用(もともと女性が持っている細菌を増えにくくする力)が弱くなると発病しやすくなります。体調を良好に保ち抵抗力を付けることが最善の予防法と言えます。